サクサクの衣、絶妙なレア加減にウットリ
都内の主だった飲み屋街は、時代の流れとともに、煮染めたような暖簾、頑固な主人、優しい女将さんのいる赤提灯は姿を消し、大手資本の匂いのする、どこか味わいのない飲食店に彩られてしまっている。しかしサラリーマン天国、新橋はいまだ健在である。
新橋烏森口の改札を右手に折れると、この街のランドマーク、ちょいとアバンギャルドな佇まいの「ニュー新橋ビル」が現れる。ここは様々なテナントが密集する雑居ビルで、その地下街には驚くほどの飲食店がひしめいている。
なかでも「おか田」の「牛カツ」は、近隣のOL、サラリーマンに絶大な人気があり、昼時前後は行列が絶えないありさまなのだ。
牛カツの衣は、ドライパン粉をミキサーでキメ細かく粉砕したもので、これを 210 度の高温でサっと揚げることにより、油切れのよいサクサク感を表現させている。まるで油の重たさを感じない軽やかな舌触りに伴い、絶妙な牛肉のレア加減のすばらしさ。自家製ソースもいいけど、なんといっても、ワサビをちょいとつけ、醤油に軽く浸して頬張れば、その美味しさにウットリとさせられること間違いなし。
カウンター6席、4人席テーブル2卓とこぢんまりとした店内ゆえ、相席は覚悟してもらいたい。とにかく旨いぞ!
![]() |
![]() |
---|---|
ミディアムレアに仕揚げられた「牛ロースランチカツセット」(¥1,200)はライス、味噌汁がつく。ライスはおかわり1杯無料。 | 店主の岡田氏はフレンチ出身。1日平均100〜120食ものランチを一人で調理している。 |
![]() |
![]() |
連日の行列を生み出す牛かつ。その人気ゆえ、13時30分過ぎには売り切れてしまう場合もある。早めの来店がおすすめ。 | 以前営業していたバーの内装や照明をそのまま使用しているため、店内にはどこか懐かしい、レトロな雰囲気が漂う。 |